2018年 3月 航空工学 ATPL-MPL(回)

航空法施行規則附属書第１第２章に規定する性能及び飛行性についての記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）耐空類別が回転翼航空機輸送Ｔである回転翼航空機は、離陸経路上のいずれの点において臨界発動機（単発の回転翼航空機にあっては、１個の発動機）が停止しても、安全に着陸することができるものでなければならない。

（ｂ）回転翼航空機は、全発動機が不作動である状態で、自動回転飛行により安全に進入し及び着陸することができるのもでなければならない。

（ｃ）回転翼航空機輸送Ｔは、離陸中臨界発動機（単発の回転翼航空機にあっては、

１個の発動機）が停止した場合においても、予想されるすべての運用状態において、円滑、確実、容易かつ迅速な縦並びに横方向の操縦性を持つものでなければならない。

（ｄ）操縦に特別の技術、過度の注意力及び過大な操縦力を要することなく、他の運用状態への移行がおこなわれるものでなければならない。

不安定振動（インスタビリティ）に関する記述で誤りはどれか。

ブレードの失速と圧縮性の影響に関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）気温が低ければ音速は下がるため、一般に高度が高ければ、前進側ブレードの圧縮性に対するマージンは小さくなる。

（ｂ）飛行規程で定義された超過禁止速度を超えた場合には、その機体によって、或いは同じ機体であってもその時の高度や外気温度によって生じる事態が異なる場合がある。

（ｃ）後退側ブレードの失速と判断した場合の修正操作は、直ちにコレクティブ• ピッチ•レバーをゆっくりと下げて減速することである。

（ｄ）エンジンが作動状態でも、コレクティブ•ピッチ•レバーが最低位置付近でN2/Nrが針割れ状態の降下飛行には、パワーオフVNEが適用されると考えなければならない。

航空機の安定性に関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）動安定が正であるとき静安定は必ず正である。

（ｂ）動安定が負であるとき静安定も必ず負である。

（ｃ）動安定が中立であるとき静安定も必ず中立である。

（ｄ）時間の経過とともに動揺の振幅が次第に変化していく性質を動安定という。

運動量理論から得られるロータの誘導速度（V i）の式で正しいものはどれか。ただし、ホバリング中のヘリコプタとし、Wは機体重量（kg）、ρは空気密度（kg•s²/m⁴）、Rはロータ半径（m）とする。

必要馬力に関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）必要馬力とは、メイン•ロータに費やされる馬力のことであり、テール•ロータに費やされる馬力や歯車損失を含んでいない。

（ｂ）誘導馬力とは、浮力を得るために費やされる馬力のことであり、前進速度が増大するにつれて、急激に増大する。

（ｃ）形状抵抗馬力とは、ヘリコプタが前進するために費やされる馬力のことであり、前進速度のほぼ3乗に比例し増大する。

（ｄ）有害抵抗馬力とは、メイン•ロータ•ブレードを回転させるために費やされる馬力のことであり、高速域での圧縮性の影響により急激に増大する。

ヘリコプタのロータの操縦力（コントロール•パワー）に関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）操縦力は、パイロットが操舵して、あるサイクリック•ピッチを与えたときに、ヘリコプタの重心回りにどれだけのモーメントを発生するかである。

（ｂ）全関節型ロータの場合、推力が傾くことによって生じるモーメントとフェザリング •ヒンジ•オフセットにより生じるモーメントの２つからなる。

（ｃ）シーソー型ロータの場合、推力が傾くことによって生じるモーメントのみである。

（ｄ）無関節型ロータは操縦力が一般的に小さく、高い運動性が要求されるヘリコプタ には採用されない。

一定のバンク角で釣り合い旋回をしている場合、機速が速くなるとどのようになるか。

前進側ブレードの圧縮性の影響により決定された超過禁止速度（V_NE）を超えた場合、起こる現象として考えられるもので正しいものはどれか。

ヘリコプタの姿勢変化時のダンピング•モーメントに関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）外力により機体姿勢が変化する時、ロータ推力が機体姿勢の変化を抑えようとする モーメントである。

（ｂ）ロータ回転面の傾きは、ブレードの慣性力のために機体姿勢変化に対して遅れを生じる。

（ｃ）ダンピング•モーメントの絶対量はロータ•ハブ型式に関係なくほぼ一定値である。

（ｄ）ヘリコプタの運動を安定化するには、ダンピング•モーメントが十分に存在する必要がある。

自動操縦装置用アクチュエータについての記述で誤りはどれか。

自動操縦系統に関する記述で誤りはどれか。

回転するブレードに生じるフェザリング軸回りのモーメントに関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）プロペラ•モーメントは、遠心力によってブレードのピッチ角が大きくなる方向に働くモーメントである。

（ｂ）プロペラ•モーメントは、遠心力によってブレードのピッチ角がゼロになる方向に働くモーメントである。

（ｃ）ブレードを捩じろうとする力は、空気力によって生じるものと遠心力によって生じるものとがある。

（ｄ）プロペラ•モーメントの補正は、トリム•タブの角度を変えて行う。

航空機衝突防止装置（ACAS）について誤りはどれか。

燃料系統における従来の油圧機械式や油圧空気式に比べ電子制御式（FADEC）が優れている点について誤りはどれか。

ダイナミック•ロール•オーバーについての記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）静力学的転覆とも言われる。

（ｂ）片方の降着装置が接地したまま、機体がこの接地点周りに旋転する状態をいう。

（ｃ）横方向の操舵の効きが遅くロール率を止められないと感じたならば、 コレクティブ•ピッチ•レバーを下げることがロールを止める唯一の操作である。

（ｄ）経過時間は極めて短時間である。

クラッシュワージネスの基本的な考え方に関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）機体は操縦室、客室を含め、全体がつぶれて衝撃エネルギを吸収するように設計する。

（ｂ）トランスミッションやエンジンなどの重量物は、容易に外れて衝撃力が機体に伝わらないよう設計する。

（ｃ）座席は人体をしっかり支持するため、変形しないように頑丈に設計する。

（ｄ）クラッシュ後の火災発生を防止するため、機体が壊れても燃料が漏れないように設計する。

耐空類別が輸送TA級に関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。

（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）１個の発動機が離陸後いかなる時点で故障した場合でも、当該回転翼航空機が、 離陸地に帰着し、完全に停止することができる性能に適合しなければならない。

（ｂ）離陸決定点は、耐空性審査要領の規定により定められた継続離陸性能が得られる最初の地点であり、かつ離陸中止が耐空性審査要領の規定により定められた距離内におさまる、離陸経路内の最後の地点である。

（ｃ）離陸経路は、離陸手順、開始点から回転翼航空機が離陸面から地上150m（500ft）の地点に達するまでの経路である。

（ｄ）離陸決定点が4.5m（15ft）より高い場合、回転翼航空機は離陸継続中、離陸面上3.0m（10ft）の高度より下に降下してはならない。

交流回路に関する記述（ａ）～（ｄ）のうち、正しいものはいくつあるか。（１）～（５）の中から選べ。

（ａ）トランスフォーマ（transformer）は、交流電圧を変える機器である。

（ｂ）トランスフォーマ•レクチファイアー（transformer rectifier）は、交流電力を降圧、整流し直流電力に変換する機器をいう。

（ｃ）一般的に回転翼航空機で使用される3相交流発電機の相電圧は115（Ｖ）、周波数は400（Ｈｚ）である。

（ｄ）上記（ｃ）の発電機で200（Ｖ）の定格電圧も取り出すことができ、航空機の交流電源の電圧を示すのに115/200（Ｖ）と記載されることもある。

重量重心を計測した結果、重量 6,000 lb 、重心位置は基準線後方 120 in であった。重心位置を基準線後方 120.5 in とするには、基準線後方 100 in にある200 lbの貨物をどこに移動すればよいか。次のうち正しいものはどれか。